無人島シネマ

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261. フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イビニング・サン別冊

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2021年のアメリカ映画

 

ウェス・アンダーソン監督作品

 

 

 

1925年に創刊された「ザ・フレンチ・ディスパッチ」という雑誌の編集部が舞台

 

フランスにあるアンニュイ=シュール=ブラゼという(これまた)架空の町にその編集部はあるも、その記事は世界中のジャーナリストから寄稿され、全世界に50万人の読者を抱えている

 

 

時は1975年、創刊以来の編集長であるアーサー(ビル・マーレイ)が亡くなる

 

雑誌フレンチ・ディスパッチは彼そのものであり、生前から「私が死んだ時には必ず廃刊すること 定期購読者には払い戻しを」と伝えていた通り、製作中だった最新号はアーサーへの追悼として編集が進められる

 

その追悼号の特集記事のひとつ、美術評論家の「確固たる(コンクリート)の名作」では、天才画家ながら殺人で刑務所に服役中のモーゼス(ベニチオ・デル・トロ)、作品のモデルであり看守を務めているシモーヌ(レア・セドゥ)、そしてモーゼスの作品に魅了され(勝手に)全財産をつぎ込み宣伝する男、それぞれが紹介される

 

 

 

この他にもフランシス・マクドーマンドオーウェン・ウィルソンエドワード・ノートンなどお気に入りの俳優が多すぎて、落ち着いて観られない

 

 

前作「犬ヶ島」には共感できなかった(日本が関係することに過剰な期待感があったことも原因ではあるけれど)こともあって、少し不安を感じながらの鑑賞

 

結果として杞憂に終わったけれど、距離を置いて観られた分冷静になったのか、以前までの様な「ウェス・アンダーソンが作る物語への期待感」ではなく「彼のショーを楽しもう」という感覚

 

劇場に集まっていた人たちからは「ウェス・アンダーソンの世界が大好き」というオーラが強く出ていて「この人たちは先刻承知なのか」と、少し恥ずかしい思いもしながら、その手放し感に「映画を観に来たハズなのに、写真展或いはファッションショーだった」ような錯覚

 

 

いづれにしても監督の名前でコアなファンを集客できる理想的な状況

 

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