引用元:Yahoo!映画
2012年公開のフランソワ・オゾン監督作品
高校の国語教師ジェルマン(フェブリス・ルキーニ)は、新学期を迎え生徒に作文の課題を出すも、生徒たちのレベルの低さにやる気を失いつつあった
いつものように自宅で妻のジャンヌ(クリスティン・スコット・トーマス)に、いかに酷い内容か読み聞かせていると、その中にひとつだけ魅力的な文章を見つける
クロードという男子生徒(エルンスト・ウンハウアー)が書いた文章は、数学の苦手なラファ(パスティアン・ウゲット)にクロードが教えてあげるという名目で自宅に行き、そこで経験したことを書いたもの
それは覗き見しているような内容で、文体も不遜な印象を与えるものだった
と同時に、抗うことのできない魅力を感じさせるものでもあった
ジェルマンは課外授業の名目でクロードの書く続きについて指導をしつつ、ジャンヌと共にその感想で論争しながらクロードの描く世界に深く惹かれていく
後半はラファの家庭に深く入り込み過ぎて、危ない展開になってしまうけれど、終始クロードの書く文章に魅了され続けるジェルマンが(表面上は教師の体をとっているものの)哀れで仕方ない
我こそ「文学の何たるかを理解している」という強い自負を持ちつつも、クロードの才能に猛烈に嫉妬し、続きを読みたい欲求を抑えられないにもかかわらず辛辣な指導態度をとり続ける
ジェルマンの嫉妬深さ、そしてそれを詳細な理屈で正当化しようとする姿に、フランスの中年男性が持つ特徴がよく描かれている、、、と言うと批判しているだけの様ではあるけれど、こういう気質が無いとある種の芸術は高みに届き難い、と思う
哲学よりも基本姿勢を重視し、謙虚さや潔さを追求する日本の職人気質とは真逆とも言える
(補足)ジェルマンの同僚、数学教師のベルナールを演じている役者が、ベニチオ・デル・トロか? と思ってエンドロールで確認したら、ビンセント・シュミットという俳優だった、、、確かにあまりに端役だからベニチオなはずはない
それにしてもあんなにハッキリした顔の俳優を間違えるなんて(笑)