引用元:filmarks.com
先月、メージャーリーグ球団のクリーブランド・インディアンスがチーム名を変更すると発表した
3年前にマスコットのチーフ・ワフーの廃止を決定した時には「チームの名称は敬意を表したもの」*として変更する姿勢は見せなかったけれど、複数の人権団体からの反対にBLM運動などの余波もありこの決定に至ったとのこと
問題のある表現は改めるべきだと思う
ワフー酋長の顔の色についても、ネイティブアメリカンではなくインディアンという名称の継続も難しい時代だろう
と同時に(ネイティヴ・アメリカン総意の確認は無理にしても)「問題ない」とする複数の声が確認されているにもかかわらず、少しでも疑いようのあるものは排除という今のアメリカの傾向も垣間見える
入手できるウチに、とチーフ・ワフーが描かれたTシャツなどをせっせと購入してきたけれど、歴史あるチームのマスコットと名称が変更されてしまうのは残念ではある
ちなみに新名称「ガーディアンズ」の由来はスタジアム近くにあるホープ・メモリアル・ブリッジに建つ「交通の守護者」像とのこと
1989年のアメリカ映画
冒頭のクレジットのバックに、クリーブランドのことを歌ったランディ・ニューマンの「Burn On」そして工業地帯の煙突から煙が上がる趣のある映像
クリーブランドという街はかつてオハイオ州内で最大、全米でも10位に入る大都市ながら、60年代以降の重工業の衰退によって貧困や治安などの問題を抱えている
金融や保険、ヘルスケア産業などの産業へ移行し、エリアによっては「住みたい街ランキング」に入るほどに改善されてもいる
この街の70-80年代という暗黒期は、インディアンスにとっても同様で
年度 地区 順位 勝 負 勝率
1970 AL 5 76 86 .469
1971 AL 6 60 102 .370
1972 AL 5 72 84 .462
1973 AL 6 71 91 .438
1974 AL 4 77 85 .475
1975 AL 4 79 80 .497
1976 AL 4 81 78 .509
1977 AL 5 71 90 .441
1978 AL 6 69 90 .434
1979 AL 6 81 80 .503
1980 AL 6 79 81 .494
1981 AL 6 26 24 .520
1982 AL 6 78 84 .481
1983 AL 7 70 92 .432
1984 AL 6 75 87 .463
1985 AL 7 60 102 .370
1986 AL 5 84 78 .519
1987 AL 7 61 101 .377
1988 AL 6 78 84 .481
1989 AL 6 73 89 .451
という見事な負けっぷり
この間、さぞクリーブランド市民のメンタルも鍛えられたことだろう
ちなみに暗黒時代は90年代前半まで続き、そこから中地区5連覇と見事な復活を遂げる
本作は暗黒期真っただ中のチームが、野球素人のオーナーに振り回されながらも復活していく過程を描いたもの
前半、数々の珍プレーを演じてはいるけれどちゃんと経験者が演じているせいか試合のシーンにも違和感がない(案外野球映画にはこの理由で興醒めすることが多い)
個人的には最も熱心に観ていたのが、ロフトン、トーミ、ラミレス、ジャスティス、ビルケルの黄金期だったこともあって、本作を観ると栄枯盛衰を感じる
今シーズンは資金難から生え抜きの名選手リンドーアを放出、かなり苦戦すると思っていたけれど今のところリーグ2位
かなり厳しくはなってきたけれどワイルドカード目指して頑張れ!
* クリーブランドで活躍したメジャーリーグ発のネイティブ・アメリカン、ルイス・ソカレキス選手に敬意を表したもの