引用元:allcinema.net
都内山の手に住む中流(より少し裕福に見える)の家庭
還暦を迎えた母親と長男夫婦、独身の末娘で暮らしているところに、未亡人となった長女が戻ってくる
長男がある日、投資に失敗し、家族の間で醜い言い争いや、あけすけなお金の話が繰り返され、そんな状況に胸を痛めた長女はある決断をする
母役に三益愛子、長男夫婦に森雅之と高峰秀子、出戻りの長女を原節子、と成瀬監督が当時の東宝オールスターをキャスティングしたホームドラマ
話は金融商品の勧誘から始まる
小さな子供にキャラメルを与えてまで情報を引き出したり、大人同士で親の財産について慎みのカケラも無い会話をしたり、本作に出てくるような口調(早口で単刀直入)にはかなり抵抗がある
本作でも周囲がみなチャキチャキ過ぎて(ひとりだけまとも?もといおっとりした)長女がいい様に利用されてしまう
家族の会話量も多過ぎて、仲の良い家族なのかもしれないけれど、とてもじゃないけど気が休まらない
観ている側が自然と「(散々割を食ってきた)原節子が最後に幸せになること」を望みながら観てしまうせいか、杉村春子がまるで悪役レスラーに見えてしまう
損な役どころだけれど、杉村春子が演じることで話が安定するというか、モヤモヤする展開でも安心して観ていられる