無人島シネマ

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337. シリアスマン

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引用元:amazon.co.jp

 

2009年のアメリカ映画

 

コーエン兄弟による、超真面目なユダヤ人の男性の話

 

 

 

前々々回の「スタンドアップ」が80年代のミネソタ州にある炭鉱での話

 

そして本作は60年代後半、同じくミネソタ州ミネアポリスが舞台になっている

 

 

 

1967年、ミネアポリス郊外のユダヤ人コミュニティーに住んでいるラリーは、大学で物理学を教えている

 

妻とふたりの子供と一戸建てに暮らし、長男のダニーはもうすぐ成人式を迎える

 

大学での昇進も目前に控え順風満帆と思われていたところ、突然妻が離婚したいと言い出し、それから次々と不幸や面倒がラリーに降りかかる

 

兄のアーサーの病は悪化しラリーの家に居ついてしまい、ダニーは同級生から買ったマリファナの代金が支払えなくなり、娘のサラは整形手術をしたいと言い出し、隣人とは庭の境界線で揉め、韓国系の学生からは成績評価が厳し過ぎると訴えられそうになる

 

ラリーはユダヤの教えに従順な「まっとうな男」でありたいだけなのに、それを拒む災難が立て続けに襲ってくる(この執拗さが如何にもコーエン兄弟

 

これらのトラブルを解決してくれるべく、弁護士やラビ(アメリカ発音だと「ラバイ」)がその都度登場するのだが、これがいちいち面倒臭くとにかく時間とお金がかかる辺りは、ユダヤ系のコメディでは鉄板なんだろうか?

 

世界中のいろんなビジネスで成功している人種だから、その規律やサポート体制はしっかりしているのだろうけれど、こういった煩わしさもセットになっているのはある意味納得

 

 

 

ミネアポリスは、早くから白人優位主義を排したリベラルな街で、ユダヤ人はもちろん、今ではソマリア人(ソマリ人)コミュニティもあるほど多様な人種を受け入れている

 

プリンスの出身地だし(ペイズリー・パークに行ってみたい)、MLBのスタジアムもあるから一度行ってみたい場所ではある(昔はドーム球場だったから足が向かなかったけれど)

 

 

60年代後半という設定からか、ジェファーソン・エアプレインの「Somebody To Love」が、テーマソングのように使われている

 

このバンド(特にこの曲)はどうにも苦手なんだけれど、まさしく「時代の音」なのだろうか、本作にはぴったりな気がする 

 

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