無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

487. 木樵

 

先日、伊勢佐木町の横浜シネマリンについて書いたけれど、今回はこのエリアでまだ頑張っているもうひとつの映画館、ジャック&ベティにて鑑賞

 

ミニシアターらしい外観

 

 

岐阜県飛騨地方で林業を営む木樵たちのドキュメンタリー映画

 

人も木も数十年で入れ替わり、山はずっとそこにあるという環境

 

岐阜県出身の宮崎政記監督は、木樵の父親を持ちながらも、林業で生計を立てるのは難しいと、映画を仕事にする

 

50歳も近くなり、地元に戻った彼は、木樵の見習いとして山で働き始める

 

そして二年が経ったある日、木樵として働く男たちを映画に残したいと思い、撮影を始める

 

 

 

 

ストーリーもドラマもなく、淡々としたドキュメンタリーではあるけれど、まったく退屈しなかった

 

樹齢70年のメタセコイタを、時間をかけて伐採した瞬間には、思わず大きなため息をついた

 

そして、大樹が地面に倒れるまで、無意識に集中して息を止めていたことに気が付いた

 

現場で怪我をして入院し、職場復帰を迷いながらも、「木を切る快感が忘れられず、」という木樵の率直なコメントには、胸に響くものがあった

 

ナレーションは、自らも岐阜県郡上市の自然に惹かれ、5年前に移住いている俳優の近藤正臣

 

 

 

ちなみにこの映画、観ようと思って観たわけではない

 

席に座って、延々と続く予告編を観終わって、さあ本編!と思った瞬間、紅葉した飛騨の山々の映像が流れだして

 

「、、、。」

 

本当は、5分違いで(隣の幕で)上映される「七人樂隊」(1950年代から未来までの香港を舞台にした、香港で活動する7人の監督によるオムニバス)を観るつもりだった

 

楽しみにしていたので、その瞬間は大いに落胆したけれど、本作にも満足したし、自分の選択ではない映画を観ることができた妙な満足感が得られた

 

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